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年末年始の「人が増える日」に備える——子育て家庭が保護犬と迎える初めてのお正月、帰省前後に整えたい五つの習慣

モフユイナ編集部
取材・文: モフユイナ編集部 清水 編集部員
監修: 認定獣医師・第一種動物取扱シェルター長
calendar_today2026.10.27 公開 | update2025.10.14 更新
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保護80日目の朝・リハビリ完了
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保護から40日目、初めて自らスタッフの膝の上に顎を乗せて甘えてくれた瞬間。極度の緊張が解け、瞳に穏やかな光が戻った(世田谷シェルター兼一時預かり宅にて)

大掃除の日、犬が掃除機の音に隠れて震えていた——年末のわが家の小さな異変

12月28日、わが家では子どもと一緒に大掃除を始めました。普段はリビングでくつろいでいる保護犬のハナ(仮名・推定3歳)が、掃除機のスイッチを入れた瞬間に廊下の奥へ走り、クレートの中で丸くなっていました。シェルター出身の犬にとって、家中の家具が動き、知らない人が出入りする年末の慌ただしさは、想像以上に大きなストレスになります。特に小さな子どもがいる家庭では、大人の準備に追われて犬の変化を見落としがちです。この記事では、初めて保護犬と迎える年末年始に、子育て家庭が押さえておきたい具体的な備えを五つの習慣として整理します。

習慣1:帰省の「預け先」を12月中旬までに決め、犬の情報を一冊にまとめる

年末年始の帰省で多くの家庭が悩むのが、犬をどうするかです。一緒に連れて行く場合は移動時間と慣れない環境の負担が大きく、お留守番させる場合は長時間の不在が問題になります。ペットホテルやシッターは12月に入ると予約が埋まりやすく、料金も通常より上がる傾向があります。遅くとも12月中旬までに、以下の点を家族で確認しておきましょう。

  • 帰省先がペット可か、不可なら信頼できる預け先(親戚・友人・ホテル・シッター)を確保できるか
  • 預け先には、普段の食事量・トイレの習慣・怖がるもの(掃除機の音、大きな声、男性など)を紙一枚にまとめて渡す
  • ワクチン接種歴や既往歴、服用中の薬があればコピーも添える
  • 預け先との連絡手段を複数用意し、緊急時の動物病院の連絡先も共有する

特にシェルター出身犬は、環境が変わること自体に敏感な場合があります。初めての預け先なら、できれば12月中に一度短時間の慣らし預けをしておくと安心です。子どもには「お正月はハナはお泊まり保育に行くんだよ」と事前に伝え、別れ際に泣いて混乱させないよう配慮しましょう。

習慣2:来客が多い日は「犬の逃げ場」を先に確保する

年末年始は親戚や友人が集まり、いつもより人が多く出入りします。子どもにとっては楽しい場面でも、犬にとっては知らない人の声や足音、香水の匂い、突然の抱っこなどが負担になります。来客がある日は、次の三点を前日までに準備しておきましょう。

  • クレートやサークルを、人の動線から離れた静かな部屋に設置する(リビングの隅でも、布をかけて視界を遮ると落ち着きやすい)
  • 来客者には「犬に触る前に一声かけてください」「抱っこはしないでください」と玄関で伝える。子どもにも「犬が自分から来るまで待とうね」と練習しておく
  • 犬が落ち着いているときは、来客者と一緒に短時間おやつを与えるなど、良い印象づけを少しずつ行う

特に注意したいのは、小さな子どもが犬の食事中や寝ているときに近づく場面です。年末の慌ただしさで目が届きにくくなるため、犬の食事は人来ない部屋で与えるなど、物理的に離す工夫が有効です。

習慣3:おせちや餅、チョコレート——誤食を防ぐ「高さ」と「数」の管理

年末年始は食べ物がいつもより多く、テーブルや床に置かれる機会も増えます。犬にとって危険なものは意外に多く、特に注意したいのは次の食品です。

  • チョコレート、洋菓子、ガム(キシリトール入り)
  • ねぎ類(長ねぎ、玉ねぎ、にら)、にんにく
  • 餅、おせちの煮物(塩分・糖分が多い)、アルコール入りの料理
  • ぶどう、レーズン、マカダミアナッツ

子どもがお菓子を床に落としたり、テーブルの端に置いたままにしたりすると、犬が素早く口にしてしまうことがあります。対策として、お菓子や料理は犬の届かない高さにまとめ、来客時は「床に食べ物を置かない」ルールを家族と来客の双方に共有しましょう。誤食が疑われる場合は、自己判断で吐かせようとせず、かかりつけ医または夜間救急の連絡先にすぐ相談してください。

習慣4:動物病院の休診に備え、年末年始の体調記録をつける

多くの動物病院は12月29日から1月3日ごろまで休診となります。急な下痢や嘔吐、食欲低下が起きたときに備え、日頃の状態を記録しておくと受診時に役立ちます。記録する項目は難しく考えず、次の程度で十分です。

  • 朝・夕の食事量と水を飲んだ回数
  • 便の状態(硬さ、色、回数)
  • 散歩の時間と歩き方の変化
  • 気になる行動(震え、隠れる、鳴くなど)

記録は冷蔵庫に貼ったメモやスマホのメモ機能で構いません。子どもに「今日のハナのうんち、どうだった?」と聞いて一緒に書く習慣にすると、家族全員が犬の変化に関心を持つきっかけになります。また、年末までに夜間救急動物病院の場所と連絡先を確認し、車の有無や移動時間も含めて家族で共有しておきましょう。

習慣5:寒さ対策と除夜の鐘・花火の音——年末年始特有の刺激から守る

年末年始は気温が下がり、特に夜間の冷え込みが厳しくなります。シェルター出身犬の中には、寒さに慣れていない子もいます。室内の温度を一定に保ち、床に直接寝ないようベッドや毛布を用意しましょう。また、除夜の鐘や近所の花火、初詣の人混みの音など、普段と違う大きな音が鳴る時期でもあります。音に敏感な犬には、窓を閉めカーテンを厚めにし、テレビや音楽で緩和する方法が有効です。子どもと一緒に「音がしても大丈夫だよ」と声をかけ、落ち着いたらおやつを与えるなど、良い経験として結びつける工夫もできます。

初詣に犬を連れて行く場合は、人混みと寒さの両方に注意が必要です。長時間の外出は避け、抱っこひもやカートを活用し、こまめに休憩と水分補給をとりましょう。子どもが犬のリードを持ちたがる場面では、必ず大人が近くで補助し、人や車の多い場所では短く持つよう伝えてください。

まとめ:年末年始は「犬の日常を守る」ことが家族の安心につながる

保護犬と迎える初めてのお正月は、家族にとって期待と不安が入り混じる時期です。大切なのは、華やかなイベントに合わせて犬の生活を変えるのではなく、できるだけ普段のリズムを保つこと。食事の時間、散歩の時間、静かに休める場所——これらを守ることで、犬は安心して新年を過ごせます。そして、その落ち着いた様子は、小さな子どもにとっても「家族の一員を大切にする」ことを学ぶ機会になります。年末の忙しい合間にも、一日一回は犬とゆっくり向き合う時間をつくってみてください。

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