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梅雨の在宅ワーク、高齢の親と保護犬を看る日に備える——「共倒れ防止」の3つの実践事例

モフユイナ編集部
取材・文: モフユイナ編集部 清水 編集部員
監修: 認定獣医師・第一種動物取扱シェルター長
calendar_today2026.10.24 公開 | update2025.10.14 更新
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保護80日目の朝・リハビリ完了
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保護から40日目、初めて自らスタッフの膝の上に顎を乗せて甘えてくれた瞬間。極度の緊張が解け、瞳に穏やかな光が戻った(世田谷シェルター兼一時預かり宅にて)

梅雨の時期、在宅ワークの合間に高齢の親の通院準備と保護犬の散歩タイミングが重なり、思わぬ疲労を感じる人は少なくありません。共働きや別居家族が多いなかで、親の介護と犬の世話を一人で抱え込むと、どちらもおろそかになりがちです。ここでは、実際にあった短い事例をもとに、負担を分けながら犬との暮らしを長く続ける工夫を考えます。

事例1:床の滑りで転倒しかけた梅雨の朝——環境を先に整える

都内で在宅ワークをする40代のAさんは、梅雨の朝、シニアの保護犬がフローリングで足を滑らせ、後ろ足を痛めかけた経験があります。湿気で床がいつもより滑りやすくなっていたことに、そのとき初めて気づきました。高齢の親も同じ家に暮らしており、犬の散歩中に親が転ばないかと心配が絶えません。

梅雨の湿気は、犬の足裏だけでなく、人の足元も危険にします。保護犬のなかには、過去の環境から爪が伸びすぎていたり、肉球が乾燥していたりする子もいます。滑りやすい床は、犬にとっても人にとっても思わぬ事故のもとです。Aさんの場合は、廊下に滑り止めマットを敷き、犬の爪を短めに保つ習慣をつけたことで、朝の散歩前の緊張が減りました。

今日からできる備え

  • 犬の通り道と親の歩く動線に、洗える滑り止めマットを部分的に敷く
  • 週に一度、犬の爪と肉球の状態を親と一緒に確認する時間をつくる
  • 梅雨入り前に、家中のコードや敷物の段差を点検し、つまずきポイントを減らす

事例2:服薬の時間が曖昧になった親と犬——カレンダーを共有する

Bさんは、高齢の母親と保護犬の2匹暮らしです。母親は心臓の薬を毎朝飲み、犬は関節のサプリを夕方に与えています。在宅ワークが増えたことで、Bさんが昼休みに母親の服薬を確認するのが日課になりましたが、犬のサプリはつい忘れられがちでした。ある日、母親が「犬の薬はもうやった?」と聞いてきて、家族のなかで情報が共有されていないことに気づきました。

人と犬の服薬管理を別々に考えると、どうしても抜け漏れが生まれます。とくに梅雨は体調が揺らぎやすく、通院の予定も増えがちです。Bさんは、冷蔵庫の扉に一週間分のマグネット式カレンダーを貼り、人と犬の予定を同じ欄に書き込むようにしました。犬の服薬や通院日が一目でわかることで、母親も「今日はこの子の日だね」と声をかけてくれるようになり、負担が少し軽くなりました。

今日からできる備え

  • 人と犬の服薬・通院予定を同じカレンダーに書き、家族全員が見える場所に置く
  • 犬の薬は1週間分を小分けケースに入れ、親と一緒に準備する日を決める
  • 通院日は、在宅ワークの予定をあらかじめ調整し、付き添いの負担を分散する

事例3:親の通院日に犬が留守番できない——短時間から練習する

Cさんは、高齢の父親と保護犬の3人暮らしです。父親の通院は月に2回、半日の外出になります。保護犬は分離不安があり、Cさんが在宅ワークで常にそばにいたため、父親が一人で出かけると吠え続けることがわかりました。梅雨の雨の日、父親の通院に付き添うと、犬が玄関で鳴き続け、近所への気づかいも生まれました。

在宅ワークが増えたことで、犬が「誰かが常にいる」環境に慣れてしまい、急な留守番が難しくなるケースは少なくありません。高齢の親の通院は突然決まることもあり、そのたびに犬のストレスが増すのは避けたいところです。Cさんは、父親が在宅している日に、短時間の留守番練習を始めました。最初は5分から、玄関のドアを閉めて戻るだけの練習を繰り返し、成功したら少しずつ時間を延ばしました。梅雨の間は室内で過ごす時間が長いので、練習のチャンスも増えます。

今日からできる備え

  • 家族が在宅している日に、5分程度の留守番練習を週に数回行う
  • 留守番中に鳴いても、戻ったら静かに褒めるだけにして、過度な反応をしない
  • 通院日は、犬の不安をやわらげるために、いつもより長めの散歩を朝に済ませる

終生飼養を支える「分散」の考え方

高齢者世帯で保護犬を迎えるとき、最も大切なのは「誰か一人が全部を抱えない」仕組みです。梅雨の時期は、散歩の時間が不規則になり、室内で過ごす時間が増えます。だからこそ、日々の小さな役割を家族で分け、犬の健康状態をこまめに確認する習慣が、結果として終生飼養を支えます。たとえば、朝の散歩は体力のある家族が、夜のケアは親が、通院の付き添いは在宅ワークの合間を縫って別の家族が担当する、といった具合です。

また、保護犬のなかには、高齢の飼い主のもとで穏やかに暮らしていた子もいます。そうした犬は、急な環境の変化に敏感な場合があります。新しい家族の生活リズムに慣れるまでは、無理に多くのことを求めず、できる範囲で関わることも大切です。梅雨のじめじめした空気のなかでも、家族が声をかけ合いながら犬の様子を見守る時間が、長く続く暮らしの土台になります。

まとめ:梅雨のうちに整える、無理のない仕組み

高齢の親と保護犬、そして在宅ワークの日々。忙しさのなかでも、ちょっとした工夫で負担は軽くなります。床の滑り対策、人と犬の予定を同じカレンダーに書くこと、短時間の留守番練習。どれも特別なことではありませんが、梅雨のうちに整えておくと、夏以降の暑さが本格化する前に余裕が生まれます。犬との暮らしを長く続けるために、家族で役割を分け合い、ときには外部のサービスも頼りながら、無理のないペースをつくっていきましょう。

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