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年の瀬の里親面談で聞かれた「子どもが熱を出した夜」——祖父母も交えた保護犬との暮らしを守る代替えプラン

モフユイナ編集部
取材・文: モフユイナ編集部 清水 編集部員
監修: 認定獣医師・第一種動物取扱シェルター長
calendar_today2026.11.03 公開 | update2025.10.14 更新
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保護80日目の朝・リハビリ完了
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保護から40日目、初めて自らスタッフの膝の上に顎を乗せて甘えてくれた瞬間。極度の緊張が解け、瞳に穏やかな光が戻った(世田谷シェルター兼一時預かり宅にて)

帰省の朝、散歩当番が空白になった日

小学2年生の娘と父母の5人家族で、昨年11月に保護犬の雑種(推定5歳・中型)を迎えたAさん宅。年末に義実家へ2泊する直前、子どもが発熱し、夫は仕事の呼び出しが入りました。朝の散歩、食事、投薬の3つが同時に空白になり、家族はパニックに。結局、同居する70代の祖母が散歩を買って出ましたが、中型犬に引っ張られて転びそうになり、初日で「これ以上は無理」と判断。急きょ近所のドッグシッターを探すことになりました。

この事例で見えたのは、犬の世話を「いつもの担当者」に任せきりにしていた脆さです。特に年末年始は帰省・旅行・看病・仕事の繁忙が重なり、普段の分担が一気に崩れます。小さな子どもがいる家庭では、子どもの体調変化が引き金になりやすい点も特徴です。高齢の祖父母がいる世帯なら、なおさら「誰かが何とかしてくれる」前提を外す必要があります。

「助けてくれる人」を当てにしない仕組みづくり

1. 当番表は冷蔵庫に、予備日を2日分

まず有効なのは、1週間分の当番を紙に書き、冷蔵庫に貼る方法です。ポイントは、各曜日に「主担当」と「予備担当」を必ず2名書くこと。予備担当は、その日たまたま在宅している人ではなく、あらかじめ「この曜日なら動ける」と合意した人にします。さらに月に2日は「予備日」として、誰も当番を入れない空白日を設けます。体調不良や急な呼び出しはこの予備日で吸収します。

2. 高齢者には「短時間・平坦・短距離」の役割を

祖父母に頼む場合、散歩の距離や時間を欲張らないことが大切です。平坦なコースを10〜15分、犬が引っ張りやすい時間帯(朝の初動)を避ける、などの工夫で負担は大きく変わります。投薬やブラッシング、留守番中の声かけなど、座ってできる役割を組み合わせると、高齢者でも無理なく参加できます。杖や転倒防止のための滑りにくい靴の準備も忘れずに。

3. 年末年始の預け先は11月中に下見

ペットホテルやドッグシッターは、12月に入ると空きが埋まります。11月中に候補を2か所見学し、ワクチン証明書の要否、緊急時の連絡体制、1泊あたりの料金を確認しておきましょう。預ける際は、普段のフード、常用薬、散歩の癖(他犬が苦手など)をA4用紙1枚にまとめて渡すと安心です。親戚に預ける場合も、同じ1枚があると引き継ぎがスムーズになります。

冬休みの子どもと犬、距離の取り方を決めておく

子どもが長期休みに入ると、犬と過ごす時間が増える一方で、接し方のトラブルも増えます。特に冬は室内遊びが中心になり、犬が疲れやすい時期です。大切なのは「ふれあいの時間」と「休む場所」を分けること。サークルやクレートを静かな場所に置き、子どもには「ここにいる時は触らない」と家族全員で共有します。

  • 朝の散歩は大人が担当し、子どもは帰宅後の足拭きや水替えなど短い役割から始める
  • おやつをあげる時は手のひらに乗せ、指先でつまませない
  • テレビを見ながらの抱っこは禁止。犬が逃げられる空間を必ず確保する
  • 冬休み中に1回、子どもと一緒に「犬の休憩場所」を確認する時間をつくる

アレルギーが心配な場合は、迎える前に医療機関で検査を受け、迎えた後も定期的に換気と掃除を続けます。年末年始は掃除がおろそかになりがちなので、空気清浄機のフィルター交換などもこの時期に済ませておくと安心です。

もしもの時に備える「犬の避難カード」

地震や大雪など、急な避難が必要な場面を想定し、犬の情報を1枚のカードにまとめておきます。記載するのは、犬の名前、年齢、体重、ワクチン接種日、持病、常用薬、かかりつけの動物病院、そして「預け先候補」の連絡先。このカードを玄関と冷蔵庫に貼り、祖父母にも同じ内容を渡しておきます。避難所によってはペットの受け入れが限られるため、親戚や知人に「もしもの時はお願いしたい」と事前に伝えておくことが、終生飼養を支える大きな備えになります。

年末年始は、家族がそろって話し合える数少ない機会でもあります。ぜひ一度、当番表と避難カードを家族で見直す時間を取ってみてください。犬との暮らしを無理なく続ける鍵は、特別なことを増やすことではなく、普段の役割を軽くして、空白をあらかじめ埋めておくことです。

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