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冬の引っ越しシーズンに保護犬を迎える前に——転勤族が知っておきたい「初期費用の内訳」と月々の家計シミュレーション

モフユイナ編集部
取材・文: モフユイナ編集部 清水 編集部員
監修: 認定獣医師・第一種動物取扱シェルター長
calendar_today2026.10.22 公開 | update2025.10.14 更新
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保護80日目の朝・リハビリ完了
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保護から40日目、初めて自らスタッフの膝の上に顎を乗せて甘えてくれた瞬間。極度の緊張が解け、瞳に穏やかな光が戻った(世田谷シェルター兼一時預かり宅にて)

冬の引っ越しと保護犬、はじめに知っておきたいお金の話

毎年12月から2月にかけて、転勤の辞令が出て引っ越しを考える方は少なくありません。新しい街で「今度こそ保護犬を迎えたい」と思い立ったとき、最初にぶつかるのが「うちの家計で本当にやっていけるのか」という不安です。筆者の知人も、冬の引っ越し直後にシェルターへ見学に行き、トイプードルMIXの成犬を迎えました。しかし、翌月のクレジットカード明細を見て「思ったより初期費用がかさんだ」と苦笑いしていました。本記事では、転勤・引っ越しが多い人に向けて、保護犬を迎えるときの費用の内訳と、無理のない家計プランの立て方を具体的に紹介します。

保護犬を迎えるときに発生する初期費用の正体

保護犬の場合、ペットショップで購入するのとは費用の構造が異なります。シェルターや保護団体によっては「譲渡費用」として、ワクチン接種・避妊去勢手術・マイクロチップ装着などの実費相当額をいただく仕組みが一般的です。相場は団体によって幅がありますが、おおよそ3万円から8万円程度が目安といわれます。ここに、初めての飼育で必要になる用品代が加わります。

迎えた直後に必要な用品リストとおおよその価格

  • クレート(ハードタイプ):5,000〜15,000円
  • サークルまたはベビーゲート:5,000〜12,000円
  • 食器(フード用・水用):1,500〜3,000円
  • リードとハーネス:3,000〜8,000円
  • トイレトレーとシート(1か月分):2,000〜4,000円
  • フード(1か月分):3,000〜6,000円
  • 犬用ベッド:3,000〜10,000円

これらを合計すると、約2万5,000円から6万円程度。譲渡費用と合わせると、お迎え当月は8万円前後がひとつの目安になります。ただし、すでにペット用品を持っている友人から譲ってもらう、フリマアプリで未使用品を探すなどの工夫で、1〜2万円は圧縮できます。

転勤族が忘れがちな「住まいの追加コスト」

引っ越しが多い方にとって見落とせないのが、賃貸契約にまつわる費用です。ペット可物件は、敷金が1か月プラスされる、礼金が上乗せされる、あるいは月々の家賃に2,000〜5,000円の「ペット家賃」が設定されるケースがあります。さらに退去時には、犬がつけた傷やにおいのクリーニング代として、通常より1〜2万円多く請求されることもあります。

また、転勤のたびに引っ越し費用がかさむ点も考慮が必要です。犬を連れての移動では、移動用クレートの購入や、場合によってはペット専用の引っ越しサービスを利用することになります。新幹線や飛行機を利用する場合は、ペット同伴の追加料金も見込んでおきましょう。こうした「引っ越しに伴う犬関連の出費」は、一回あたり1〜3万円程度を見積もっておくと安心です。

毎月のランニングコストを具体的にシミュレーション

では、暮らし始めてからの月々の支出はどのくらいになるのでしょうか。中型犬(体重10kg前後)を想定した場合の目安を紹介します。

月額の内訳例

  • フード:4,000〜7,000円
  • トイレシート:1,500〜2,500円
  • ペット保険:2,500〜4,000円(補償内容による)
  • フィラリア予防薬(季節による):1,000〜2,000円
  • ノミ・ダニ予防薬:1,000〜2,000円
  • トリミング(必要に応じて):0〜6,000円
  • 予備費(医療費・消耗品):3,000円

合計すると、月額およそ1万3,000円から2万5,000円。ここに、年に1回の混合ワクチン接種(5,000〜8,000円)や狂犬病予防注射(3,000〜5,000円)、フィラリア検査(3,000〜6,000円)が加わります。病気やケガをしたときの治療費は、数万円から数十万円になることもあるため、ペット保険の加入や、毎月3,000円程度の「医療費積立」をしておくと安心です。

無理のない家計プランを立てる3つのステップ

転勤族の家計は、引っ越しのタイミングで大きく変動します。保護犬を迎える前に、次のステップで計画を立ててみましょう。

ステップ1:手取り収入の15%以内に収める

犬にかける費用は、毎月の手取り収入の15%以内が無理のない範囲といわれます。たとえば手取り25万円なら、月々3万7,500円まで。この枠を超えると、急な医療費や引っ越し費用が重なったときに家計が苦しくなります。まずは自分の収入で無理なく続けられる上限を決めましょう。

ステップ2:引っ越し周期を考慮した「特別費」を積み立てる

転勤が2〜3年に一度ある場合、引っ越し関連の犬費用として、毎月5,000円を別口座に積み立てておくと安心です。引っ越しのたびにペット可物件の敷金追加や移動費用が発生するため、事前に備えておけば慌てずに済みます。

ステップ3:保険と積立のバランスを見直す

若い犬であれば、ペット保険は「通院費用だけをカバーするタイプ」に絞って保険料を抑え、手術費用は積立で対応する方法もあります。逆に、シニア犬を迎える場合は、保険料が高くなっても手厚い補償を選ぶ方が安心です。シェルターのスタッフに、その犬の健康状態や既往歴を確認し、獣医師に相談しながら決めましょう。

冬の引っ越し直後、犬のストレスを減らす工夫と出費

冬場の引っ越しは、寒さによる犬の体調変化にも注意が必要です。新しい環境に慣れるまで、暖房の効いた部屋でも冷える床にはラグを敷く、クレート内に毛布を入れるなどの工夫が要ります。また、引っ越し直後は落ち着かないため、フードをいつもより少し高い嗜好性のものに切り替えると食べムラが減ることもあります。こうした「ストレス対策グッズ」に2,000〜5,000円程度を見込んでおくとよいでしょう。

さらに、転勤族は新しい土地での動物病院探しも必要です。引っ越し前にオンラインで評判を調べ、できれば一度は診察に同行して、犬の状態を伝えておくと、いざというときにスムーズです。初診料はおおよそ1,000〜2,000円です。

まとめ:小さな積み重ねで「もしも」に強い家計を

保護犬を迎えることは、お金以上に得られるものが大きい経験です。しかし、現実的な費用を把握し、無理のない範囲で計画を立てることが、長く幸せに暮らすための第一歩。転勤や引っ越しが多い方こそ、初期費用とランニングコストを「見える化」し、特別費の積立を習慣にしてみてください。冬の寒い時期に新しい家族を迎えるなら、暖かい部屋でゆっくりと信頼関係を築きながら、家計も一緒に整えていきましょう。

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