「犬が怖い」と言う子がいる家庭の年末年始
年末年始、家族が揃うこの時期に「保護犬を迎えようか」と話し合う家庭は少なくありません。しかし、子どもが犬を怖がる場合、迎え入れ後に家族全員が疲れてしまうケースがあります。ここでは、ある家族の実例から、迎える前にできる準備を考えます。
事例:小学2年生の娘が犬を怖がるAさん家庭
Aさん家族は、保護犬の譲渡会でラブラドール混血の成犬に一目惚れ。しかし、娘のミナちゃん(8歳)は過去に公園で犬に飛びつかれ、以来犬が苦手です。家族会議では「犬を迎えたい」という気持ちと「ミナが怖がるのでは」という不安が交錯しました。そこでAさんは、迎え入れを決める前に「3つの予行演習」を年末年始の休みを利用して行うことにしました。
予行演習1:犬のいる空間に“短時間”慣れる
まず行ったのは、保護犬のいる施設や譲渡会場に、ミナちゃんと一緒に短時間だけ訪れることです。ポイントは「犬と直接触れ合わない」こと。ガラス越しや柵越しに犬の様子を観察するだけでも、子どもにとっては大きな一歩です。
- 滞在は15分程度から始め、子どもの表情が硬ければすぐに切り上げる
- 「犬がこちらを見たね」「しっぽを振っているね」など、親が客観的な声かけをする
- 子どもが「怖い」と言ったら無理強いせず、「今日はここまでにしよう」と肯定する
この予行演習を年末年始に2〜3回繰り返すことで、ミナちゃんは「犬は遠くから見るもの」という認識から、「少し近づいても大丈夫かも」という感覚に変わりました。
予行演習2:家庭内で「犬の居場所」を決める
次に、迎え入れ後の生活を想定して、家の中に犬の休息スペースを設けました。リビングの一角にサークルを置き、その中に犬用のベッドと水皿を配置。ミナちゃんには「ここは犬が安心する場所だから、中に入らないでね」と伝え、実際に家族でそのルールを守る練習をしました。
- サークルは家族の動線から少し離れた、静かな場所に設置する
- 子どもには「犬が寝ているときは話しかけない」など具体的な約束を紙に書いて貼る
- 年末の大掃除の際に、サークル周りを整理し、危険物がないか確認する
この練習を通じて、ミナちゃんは「犬のテリトリー」という概念を理解し、自分からサークルに近づくことはありませんでした。また、家族全員が同じルールを共有することで、迎え入れ後の混乱を防げます。
予行演習3:犬との接し方をロールプレイで学ぶ
最後に、実際に犬と接するときの基本的な動作を、親子でロールプレイしました。ぬいぐるみを使い、以下の3つを練習します。
- 犬に近づくときは、横からゆっくり手の甲を差し出す(上から頭を撫でない)
- 犬が匂いを嗅いだら、静かに手を引っ込める
- 犬が後ろを向いたら「遊びたくない」のサイン。その場を離れる
ミナちゃんは最初「噛まれたらどうしよう」と不安そうでしたが、ぬいぐるみで練習するうちに「犬も嫌なときは逃げるんだね」と理解。親が「犬の気持ちを想像する」声かけをすることで、恐怖心が curiosity(好奇心)に変わりました。
迎え入れ後のルールづくり:年末年始の家族会議で決めたこと
Aさん家族は、予行演習を経て迎え入れを決断。年末年始の帰省前に、以下のルールを家族で話し合いました。
- 子どもだけで犬と留守番しない(短時間でも親が在宅する)
- 犬の食事や散歩は大人が担当し、子どもは見学から始める
- 犬が吠えたら、子どもは「大丈夫だよ」と声をかけず、その場を離れて親に知らせる
- 来客時は犬をサークルに入れ、子どもがドアを開けないよう徹底する
これらのルールは、年末年始の慌ただしい時期だからこそ、事前に決めておくことが大切です。特に帰省や旅行で家を空ける場合は、犬の世話を誰が担うかを明確にしておきましょう。
まとめ:子どもの恐怖心は「予行演習」で和らげられる
保護犬を迎えるかどうか迷ったとき、子どもの存在は大きな判断材料になります。しかし、犬が苦手な子どもでも、適切な予行演習と家族のルールづくりによって、安心して暮らせるようになります。年末年始は家族が集まる貴重な機会。この時期を利用して、わが家に合った迎え方をじっくり話し合ってみてはいかがでしょうか。